2011年10月アーカイブ

夜はジャマイカ公演でのメインとなるコンサートで、The Phillip Sherlock Center にて演奏しました。会場についてびっくり!金屏風がちゃんと据えられていて、しかも紅白のお花を舞台花として活けて下さっていました。こうした舞台づくりの様子からも現地の方々が楽しみに待っていて下さった事が伝わってきました。

 

1曲めは、テレビでも演奏した「花簪」(はなかざし)から、続いて「松風」を演奏〜 


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この曲は、曲中に今回のプログラムのテーマでもある、「バラエティさ」が凝縮されているので、実はプログラム中のメイン料理だと思っています。アフタービートのジャマイカ人に、「砧地」の思い切り「オン」なビートがどう伝わるのか?また、哀愁のある曲調をどう聴いて頂けるのか? 私自身もその反応が楽しみでした。

終演後、ブラボーの声が一番強かったのは予想通り、三味線二重奏の「ジャワリ」でしたが、中にはこの「松風」を聴いて、「曲に対するリスペクトがとても伝わって来て、じーんとした」、ともの静かに感想を伝えてくれた方もいて、この曲をプログラムして良かったと心から思いました。


続いて、それぞれの箏のソロを〜「三つの断章」に引き続き、私は、この夏、「花鳥風月コンサート」でも取り上げた「鳥のように」を演奏しました。着物もこの曲に合わせてちょっとモダンな「鳥」の柄にしました。

 

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最後に、玉木宏樹先生作曲の「ジャワリ」を演奏。 日本でも何処で演奏してもとても評判のいい曲ですが、ジャマイカでも大好評の1曲でした!演奏後には、わぁっとした反応が伝わってきました。(余談ですが、玉木先生とは洗足音大でよくご一緒させて頂いたせいか、玉木先生の息子さん(!)と結婚したという噂が流れましたが、全然違う玉木さんです。)


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アンコールは、スティーブンさんとご一緒。それぞれ、「荒城の月」と「花」を演奏。 思いがけない「荒城の月幻想曲」に仕上がったのも、スティーブンさんの懐の深い演奏のお陰です。


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終演後にパチリ。汗びっしょりでしたが、沢山の拍手を頂いて、労が報われました〜!!!


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この後、『魔境』マイアミ(←こんなにうるさい空港は初めてでした...)を経由してボリビアでの演奏です。空港の標高は富士山より高い!!ので、体調に気をつけます。こちらは翌日の新聞に載った記事です。


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南米ツアーの第1番目の国、ジャマイカ公演が無事に終了しました!

怒濤の3日間でしたが、昨夜は会場いっぱいのお客様から沢山の拍手を頂いて、ひとまず一つ目の山を越え、ホッとしています。

 

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夜に到着したキングストン。空港に到着すると、も〜とした空気にウェルカムされました。カリブ海に面しているので、海からの潮風が湿気を運んでくるのでしょうね。1月に行ったカタールのなま温かさをふと思い出しました!

 

到着早々、ジャマイカの大使公邸にて、山口大使、今回のコンサートの細部に渡りお世話になった斉藤さん、コンサート会場責任者のマイケルさん、司会を進行して下さったマリアさんと、我々でディナーを頂きました。

裏のお庭から採れたマンゴーから作ったソースが絶品!他にも、シェフの心のこもったお料理に、お話にも花が咲き、コンサートへの栄養を沢山いただきました。

 

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翌日は、正午からみっちり夕食までリハーサルを敢行〜。プログラムの選考には常に念をいれますが、今回は特に日本の音楽のバラエティさ!をアピールしたく思いました。 南米のお国柄も考慮して、古典の作品から三味線の丁々発止な二重奏まで、並べてみました。果たして、リハーサルは延々つづき...気がついたら日がとっぷり暮れていました...。

 

更に翌日(24日)は早くもツアー中、最大の山(?)到来。一日に、テレビ出演〜学校公演〜コンサート、と3日分の出来事が凝縮されました。ジャマイカ版「おはよう日本」のような「TVJ(テレビ ジャマイカ)」に出演させて頂きました。早朝起き抜けの顔が全国ネットで写るかと思うと冷や冷やしましたが、メイクもきちんとして頂いたせいか、演奏そのものは"昼時"くらいのものだったのではないでしょうか?

 

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演奏は、杵屋正邦作曲「花簪」より抜粋。まさか、正邦先生も自分の作品がジャマイカで流れるとは思いもよらなかったでしょうね。でも、先生の作品には、三味線の面白い奏法が心憎くちりばめられているので、きっとジャマイカの人にも楽しんで頂けたと思います。


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続いて、Immaculate Conception 学校でのレクチャーでは、1時間ほど、楽器の説明、歴史、それに平行して、曲を紹介しながら進めました。子どもたちの反応がとても素直で、可愛かったですね。中には、「ジャマイカではお箏を習えるのかなぁ?」などと聞いてくる子もいました。曲の反応を伺うと、やはりアップテンポな曲が一番好まれたようです。夜のコンサートで共演させて頂いたSteven Woodhamさん(Vn)ともリハーサルをしました。コラボ曲の「荒城の月」にファンタジアなカデンツァまで準備していて下さり、サプライズでした。


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三味線について説明中〜 まだまだ長い一日は続きます...


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紅葉の秋 

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こちらは紅葉の季節が終わりかけています。昨年、アメリカに移住したのは

11月半ばだったので、もうほとんど紅葉もおわってしまっていましたが、今年は葉っぱの色の移り変わりを追って楽しむ事が出来ました。日本!といえば、やはり桜の春かな、と思いますが、アメリカは秋がベストシーズンなのかな、と思いました。落葉樹が多いので、夏の光を沢山浴びた葉っぱ達は、最後の燃焼をして落ちていきます...。

 

こちらは、自宅近くの公園で。

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先週は、NYTenri Cultural Institute にて3回目のリサイタルでした。特に、今回は移住して初めて、しかも、相方の玉木も一緒に!という事でしたので記念となるコンサートでした。アメリカで演奏されていない箏、三味線の名曲はそれこそ山ほどあると思うのですが、それを少しずつ紹介していけたら、そして自分の工夫も毎回積み重ねていけたら!といつも思っています。これからがスタートです。

 

ミラノから帰って来て、頭を切り替えて練習

(父作のスタンディング用立奏台はコラボレーションには最適)

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写真が無いのが残念なのですが、前日には、ブルックリン音楽院でも演奏させて頂きました。この楽器を選んだ宿命(!)なのですが、毎度のことながら、楽器の運搬、セットアップには、色んな方にお世話になっています。いつもとっても有り難く思っています。ブルックリン音楽院は、小さなホールながらも、音響効果が抜群で、もしかしたら、アメリカに来て出会ったホールの3本指に入るかもしれません...。

 

こちらは、リサイタル前に、猫に癒してもらうの巻。

お世話になった、NYダディことジムさんの家族、Mr.Manです。

大人しくて良い子ちゃん〜♪♪

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当日は、前回の日記にも書きましたように、一部は「中能島欣一」作品を、二部は、アメリカの作曲家による作品を演奏しました。コンサート後、来て下さったお客さまの反応を伺ったところ、「この対比がとても楽しめた」、「箏に唄があるのを初めて知った!」などなど、感想を頂き、コンサートの指針が伝わったようで、大変励まされました!

それぞれの曲に思い入れがあり、どれも今後も弾き続けていきたい曲ばかりですが、特に「赤壁賦」は要所要所で弾いて来たものですし、また私の師もたいへん大切にされているレパートリーなので、そんな作品を紹介できたのは、とても嬉しく思っているところです。また、二部に演奏した「組曲」(ルー・ハリソン作曲)も、まだインターネットも発達していないような時代にはるばる西潟昭子先生がアメリカまで渡って委嘱された作品で、その時の先生の情熱、またそれに応えたハリソンの情熱に想いを馳せると、俄然と演奏にも気合いが入りました。

今は、フェイスブックやスカイプを通じて、リアルタイムで世界中に繋がる事が出来ますが、やはり実際に海を目の前にすると、どこの国に行くにも大変な距離を感じます。海外公演もまったく珍しいものではなくなりましたが、「日本の音楽」をいろんな場所へ伝える、というルーツをいつも省みたい、と思います。すると、やはり力が湧いてきますから...。

 

写真は、コンサートの様子。

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プログラム最後は、ジムさん作曲による「Sankyoku No.1」この後、スパークして爪が飛びましたが、即興部分に突入したところだったのが、幸いしました。

 

翌日には、フラットアイアンビルすぐ側のスタジオでレコーディングもしました。コンサート翌日だったので、体力を振り絞っての録音。頑張りました!

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NYからの帰り道は、紅葉が最盛期は過ぎていましたが、とても綺麗でした。これからやってみたいこと、音楽のこと、2人で色々な話をしながら帰宅の路につきました。

 

お土産は、ジムさん大絶賛の世界一美味しいNYチーズケーキ♪(本当!)

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南米ツアーに行く前に少し気が早いですが、今年のかぼちゃランタンを作りました。

お題は「歌うお化け屋敷」

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南米でも、多様なプログラムを引っさげて、体調に気をつけて行って参ります。

色んな方にお会い出来そうで、今からとても楽しみです。

 

 

 

Milan & Venice

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ただ今、ミラノから帰ってきまして、再びアトランタの空港でこの日記を書いています。パソコンを持っていれば、待ち時間もあっという間ですね。

 

ミラノには約1週間滞在しましたが、ずっとお天気にも恵まれました。

今回は、女優さんであり、日本舞踊でも、お囃子の世界でも、活躍されている麻生花帆ちゃんからお誘い頂きました。花帆ちゃんは、それぞれの分野で3つのお名前で、文字通り八面六臂の大活躍ぶりです。今ハタと気がつきましたが、今回の共演で3つのお名前全部と共演出来たことになるのですね。それでも2人での共演というのは初めてでした。

邦楽の世界では、こんな方は他にいませんね。創意工夫なリハーサルを重ねて、2日間という短いリハーサルでしたが、本番までのプロセスはとても内容の濃いものでした。私もイタリアというお国柄に併せた編曲を準備し、レパートリーの中から考慮しながら、花帆ちゃんの舞台づくりに対する熱い思いに応えるべく一緒に奮闘しました。2日間でこれだけ充実したリハーサルを出来たのですから、もし1ヶ月くらいこれが続いたらどんな舞台になるのかな?と思った程です。クリエイティブな舞台人の花帆ちゃんと共演は、ここ近年の演奏の中でも忘れ難いものとなりました。

 

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ミラノに到着した日は、さっそくドゥーモへ行きました。こちらの写真はドゥーモの屋根の上です。飛梁(フライング・バットレス)が本当にかっこいい!大聖堂は、いつも後ろから観るのが好きです。いつかイール・ド・フランスの大聖堂めぐりもしたいなぁ。

 

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中に入ると、薔薇窓が素晴らしいです。まるで、大木の森の中に居るよう...。


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イタリア料理は、大好きですが、やっぱり本場は素晴らしいですね。何処へ行ってもワインが美味しく、お食事を引き立ててくれて...「木村さん、お好きですね」と言われるまま、沢山頂戴しました♪

 

本番は、皆様のお陰を持ちまして、無事に終了し、沢山の方々に喜んで頂けた様子が直に伝わってきました。花帆ちゃんも、私も決して時間的に余裕があった身ではないと思うのですが、こうして本番を成功させる事が出来、本当に嬉しかったです。今回の経験は、得るものが大変多く、またひとつのマイルストーンとなりました。

 

本番の写真はまだ手元にありませんので、またいずれ。

 

翌日は、花帆ちゃん共々、ミラノから2時間半のヴェネツィアに行ってきました。よくピアノで弾いていた「ヴェニスの舟歌」。実際に訪れてみて、あの波にたゆたうような旋律が生まれて来たこと、多くの画家がこの街を描いて来たこと、モンテヴェルディも誕生したように、とても音楽が似合う街であること、が分かりました。

以前、ドイツの演出家に「いつかヴェネツィアに行きなさい」と言われたましたが、百聞は一見に如かず、ですね。


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そういえば、ヴェネツィアが舞台の映画も多いですね。「旅情」の舞台にもなったサン・マルコ広場のカフェ・フローリアンでお茶をしました。誰か、映画のようにお誘いしてくれるお方は居るかしら〜?でも、左右のテーブルとも、ゲイの方々でした...。あれ〜?

ビスコンティの「ヴェニスに死す」にも出てきそうな小径が素敵で、ピアノの音色が聴こえてきました。


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夕暮れ時の風景も、心が洗われるようでした。この少し水の中に溶け込むような光景こそ、「舟歌」の世界なのですね。


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ミラノ最後の夜は、大好きな作曲家・モンテヴェルディのオペラ「ウリッセの帰還」を観に行きました。スカラ座のチケットは、取りにくいようですが、幸いとてもいい席で観る事ができました。演出家は、いつかパリのオペラ座でも観たロバート・ウィルソン。歌手をまるで彫像のように配置し、体の動きを制約することで、モンテヴェルディの音楽をより有機的に際立たせるような...そんな印象を受けました。それにしても、モンテヴェルディは天国的に素晴らしいですねー。大好きです。


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真紅のカーテンが素敵。

 

舞台までのプロセス、美味しいお食事にワイン、忘れられない風景...とても充実した1週間でした。