2012年11月アーカイブ

渡米3年目

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先週の日曜日は誕生日でありました。今は、便利なものでして...
FB(フェイスブック)を通じて、リアルタイムでお祝いのメッセージ
を頂けたりして、リアルな距離感が感じられない時がしばしばあり
ます。しかしながら、2年前の誕生日にアメリカに渡ってきた時に感
じたリアルな「距離感」ー飛行機の中で日本での30年間〜の生活、
様々な笑顔を思い出しながら、太平洋をわたってきた時の不思議な
感覚が忘れられません。あの時間と思考のベクトルこそが、本当の
「距離感」なのでは...と思います。

あの痛切な距離感、同時に期待に満ちあふれた感覚が、この丸々
2年間の原動力でした。そして、やっぱり今もそのままです。
本当にまだまだこれからだ〜と思います!
継続は力なり。

***

そうそう、お誕生日当日は、相方が腕を奮って、美味しいトリュフ
を作ってくれました。(なんと2日がかり...)度重なる旅行でガタの
きたスーツケースを気の毒に思ったのか、おニューのスーツケース
も!!心強い旅のお供が出来たので、またこれと一緒に演奏旅行
も頑張っていきます。ブログの方も、もう少しこまめに書くように
します。お読み頂いている皆さま、今後とも、どうぞ宜しくおねがい
いたします。

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お気に入りのミニ三味線弾きもあまりの素晴らしい光景に弾く手がとまるの巻♪

この11月の末、これまでやってみたいなぁ、と思っていたことの1つが形に
なるので、とても嬉しく、そして身が引き締まる今日このごろです。

セント・ルイスのアリアーナ弦楽四重奏団の皆さんと三味線ソリストとして
共演させて頂くことになりました。セント・ルイスを拠点にプロフェッショ
ナルな活動を展開されている皆さん、どんなアンサンブルになるのかな、と
今から非常に楽しみにしています。

作品は、NYの友人でもあり、私の本当に良き理解者でもある作曲家の
ジム・シュレファーさんの「String Journey」私が「こうしたらもっと良くなるの
では〜?」といったリクエストも、長年の信頼関係のお陰でしょうか...?とても
よく耳を傾けて聞いてくれます。現地でのリハーサルが今から本当に楽しみ
です。地声の発声と三味線の切れ味を活かした作品に仕上げたい、と思っ
ています!

相方の玉木が、フライマン・カルテットのメンバーでもあるので、色々と勉強
にもなります。邦楽の元々ある曲をリサイタルのような形で聴いていただくの
と、このように、その土地に根付いている音楽とのコラボの形で聴いて頂くの
と、どちらもやり甲斐あふれる事です。

精いっぱい、三味線弾いてこよう〜と思います◎

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「ミシガン湖上」水平線がまんまると...。
アーバーナとシカゴ大学の途中に実は、我が街にとんぼ帰りしまして、
姉妹都市委員会のパーティで演奏させて頂きました。何かと、お世話
になっているSister Cities Committee. 今年は、日本の高岡市との30
周年、ドイツのゲラ市との25周年の姉妹都市友好関係、とのことで
かなり立派なパーティが催されました。

姉妹都市、という結びつきは素敵ですね。私は、中学生くらいのころ、
何かの伝で、外国に一時的にホームステイしてみたいなぁ、と思った
時期がありましたが、姉妹都市ではこうした教育的、文化的交流が
目玉なので、個人的にも応援したくなります!

演奏前には、姉妹都市委員の方がご丁寧にも私たちのなれそめまで
ご披露してくださって...(さくらフェスティバルがきっかけ)公衆の面前で
「わー、もうそろそろご勘弁!」って感じだったのですが、なにはともあれ、
みなさまご馳走を前にしながらも水をうったように、静かに聴いてくださっ
たのが、とても嬉しく思いました。

公私ともに、姉妹都市委員会には、本当にありがとうございます...の
一言でございます。

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ブラジルーNYーアトランタと、怒濤の3週間過ぎまして、ようやく一息つける
かな...と思っていたのですが、「ほっ」としたのが束の間、今度はいわゆる、
実験音楽的なプロジェクトで、約1週間、イリノイ大学ーシカゴ大学での演奏
がありました。

このプロジェクトでの楽譜は、ほとんど図形楽譜のようなものでして...。
図形楽譜、というとあまりピンと来ないかもしれませんが、現代音楽では
マリー・シェーファーやクラムが有名です。私は、もちろん邦楽が専門なので、
こうした分野はまだまだ勉強不足なのですが、洗足音大で即興的な音楽
づくりの授業を約5年程、シフト的に受け持っていたので、こうした分野を
少しだけかじったに過ぎないのですが、これはまたユニークな世界が奥に
広がっている、ということを感じてきました。

このプロジェクトでは、ちょっと宇宙人的思考の持ち主(と書くと失礼か...)の
作曲家の呼びかけで集まった、日欧米のミュージシャンが一堂に会して、
作品を作っていきます。

古典の世界とは180度違う、「音探し」の世界なのですが、古典が音色を
大切に重んじるのと同じように、こちらの世界でも「新鮮な音」「気持ちのよい
音」の重み、があるものだ...と感じずにはいられませんでした。

こうしたプロジェクトは、恐らく日本ではまず資金が集まりにくいですし、
やはりこちらならではの試みか、と思います。なんといっても、共演者の方々
がホントに良い方で...、なかなかハードな中でも笑いのある1週間を過ごす
事が出来ました。またの共演を楽しみに...!

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アーバーナのリスちゃん。あまりの脱力系にこちらがズッコケそう...

アトランタへ

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NYでの公演翌日、アトランタへ向かいました。

アトランタではケネソー大学でのコンサート。太鼓奏者のケニー遠藤さん
とご一緒です。ケニーさんは、日本でずっと修行をされ、歌舞伎座でも
鼓をうたれていたそうで、私もやはり日本で学んだ人間ですので、ご一緒
させて頂くと、ちょっとした気遣い、楽器の仕舞い方、などからも上手く言え
ませんが、「...そうだよなぁ!」と相通じるようなものを感じるのでした。
何と言っても、共演者へのリスペクトがとても温かく、素晴らしい方なので、
私も「がんばらなくっちゃ〜〜!」とついつい思ってしまう程なのです。

何と言いますか、日本ではつい「礼儀」というものが、もとの「心」から離れて
重々しく形骸化されるような傾向が時としてあるような印象を受けてきた
のですが、まず「心」ありきだよなぁ、と改めて念うのでした。

ちょっと抽象的な事を書いてしまいましたが...。
とにかく、演奏も圧倒的に素晴らしくて、NYから自分で飛行機飛ばして
やってきたテッドさん(ヴィヴラフォン)ともども、本当に楽しいコンサートなの
でした。私もNYリサイタルの後に、ひとふんばりして、大いに実りあるアト
ランタ行きでした。次なる共演の機会を楽しみに!!

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NYは何回訪れても、格別に楽しい街です。私もやっぱりNYは大好きです。
アメリカに移住してから、本当に色んな所を訪れる機会が増えましたが、
NYは行く度にワクワクするところです。でも、自然豊かなメーン州も素晴ら
しいし、サンフランシスコも素晴らしかったし、夫々、甲乙付けられませんね。

さてさて、ブラジルからアメリカに戻りまして、NYにそのまま1週間ほど、滞在
しまして、尺八奏者の為のワークショップ、タイムズスクエアでのワークショップ、
学校公演、リサイタル、リハーサルと凝縮された1週間を過ごしました。

やはり4回目となったリサイタルの思い出がとりわけ色濃いものとなりました...。

写真で振り返ってみましょう♪

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こちらは、古典の「那須野」(山田検校作曲)

古典のうたもの、をNYで演奏するのは、やはり1にも2にも工夫が必要です。
『古典は素晴らしいから、そのままやればいいのだ!』という訳にもいきません。
まず、曲の背景やユニークなトピックを英語で説明。今回は、お笛の渡辺薫
さんに陰囃子のように入って頂きつつ、英訳プロジェクター映像も作成、絶妙
のタイミングを玉木に補佐してもらいつつ、3D構成で、「那須野の世界」を
体感して頂こう、という試みでした。尺八のジムも、この試みに大賛成!
大好きな古典の世界を、より広いお客さまに聴いて頂くためのチャレンジ...。

初めて、箏の歌を聴かれたアメリカ人が「玉藻前の心情が胸にじーんときた〜」
と終演後に、笑顔で言ってくださって、とても感激しました。
まだまだ、素晴らしい作品は沢山ありますので、これからがスタートなのです。


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こちらは、マーティン・リーガンのfastpass!!

マーティンは嬉しい事に、お忙しい中をこの公演の為にわざわざ、
テキサスからやってきてくれました。オリジナルの編成から変更
して、和太鼓と三味線による演奏(本来は鼓/三味線)でしたが、
こうした変更にも快くOK!を出してくれました。
変拍子の炸裂するコンテンポラリーピースですが、渡辺薫さん
(元鼓道メンバー)との激しい丁々発止、とても楽しかったです。

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薫さん、ご多忙の中、リクエストしまくりましたが、どうもありがとう!!

そして、最後はやはり、私たち夫婦のデュオで締めくくらせて頂きました。
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「鳥と戯れて」(マーティン・リーガン作曲)
この曲は、とても美しいメロディーを持っているのですが、所々、気をつけ
ないと非常にミスをしやすい部分があります。私たちの為に書かれた
大切な曲なので、今まで一番良い演奏をしたい、と思い臨みました。

今年は昨年よりもお客様が沢山いらして下さり、とても励まされました。
本当に有り難いことです。この公演に関わって下さった、すべての皆様に
感謝御礼の気持ちで胸いっぱいです。
来年も引き続き、このシリーズは開催いたします。
今から、何をやろうか...嬉しい企みをしております...。