2013年12月アーカイブ

三味線とカルテット

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年内には、今年あったことを書き上げよう...

11月末に、三味線でNYベースのカサット・カルテット
の皆さんと共演しました。実は、大学の時に副科でヴァイ
オリンをとっていた私...。「こう弾きたい〜!」という思い
とは裏腹、ヴァイオリンの難しい事といったら三味線と匹敵
するのでは、と思います。同じような事を、文豪谷崎潤一
郎もどこかで書いていました。妙な音を沢山出していました
が、「運弓」の感覚を少しでも体感出来たのが、今でも時々
役に立っています。(余談ですが、私のヴァイオリンケース
には、かの異才エリック・ハイドシェックのサイン付)
そして、ヴァイオリンの富田さんとの長いデュオ活動も
一段落して、それと繫がるように、今度は玉木とのデュオ
が始まったのですが、チェロとなると、またタイミングが
違ってくるので、また新たな癖が見えて面白く感じられます。
そして、今度はカルテットとなると、また一層有機的に厚み
が生まれてきます。来年は5月に、イリノイのUrbana-
Champaignベースのオーケストラと、箏のコンチェルトが
あります。単体の楽器と長年向きあい、少しずつ編成が厚み
を増していくのを経験してきました。この話を頂いたのは、
今年の誕生日の夜でした。渡米3年目の夜にとても嬉しい
ニュースでした。


Photography by George Hirose

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Tatami Recital

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11月半ばのちょうど満月の夜に、「Autumn Full Moon」
というタイトルで私たちのデュオ"タタミ"リサイタルを開催
させて頂きました。"タタミ"というところがポイントです!
NYのマンハッタンの真ん中に、Globusさんが建てられた
和室。日本の音楽は元々は畳の敷かれた比較的狭い空間
で聴かれて来た面もあります。畳のような自然の素材と
和楽器の素材が出会う、という極自然なことなのですが、
ここアメリカでは、そのような機会がなかなか得られません。
今回は、NYへの移転のお祝いも込めて、Globusさんが
特別に企画して下さいました。先だってご逝去された音楽
評論家の上野晃先生がよく書かれていた言葉で「空間を
造る」というものがありました。また武満徹の「琴には琴の
うたをうたわせよ」という言葉もあります。こんな素敵な空間
では、それに相応しい音楽をお届けしたい、と思い、満月に
ちなんだ曲を演奏させて頂きました。
写真はどうぞこちらから→Photos by Junya Mori
Photos from Duo YUMENO album
夏からの覚え書き(続き

昨年、シカゴ大学に演奏に行った、歴史の積み重なった建築
すこし圧倒されました。ちょっとハリー・ポッターを彷彿させる様な
ゴシック建築が大学構内に所々。近くには、フランク・ロイド・ライト
の建てたロビーハウスもあります。
今回は三味線のデュオコンサートということで、構内の一角に有る
Bond Chapelという会場で演奏してきました。お昼時は目にも鮮
やか〜なブルーのステンドグラスがキラキラと。三味線の音色と
ゴシック建築のハーモニーと相成りました。ご一緒したのは、義太
夫の田中悠美子さん。木枯らしが吹きはじめた冷たい夜だったの
で、お客さんの出足が心配でしたが、シカゴの友人の皆さんにも
再会できた嬉しい夜となりました。

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夏からの覚え書き(つづき)

私の誕生日の一日前、11月10日にNYのBuddhist Churchの
75周年記念の一環として、私たちデュオのリサイタルを開催
させて頂きました。この日は、個人的にも少し思い入れのある
一日となりました。アメリカに移住してほぼ3年目の日にこうして
夫婦でデュオリサイタルを開けること、をとても嬉しく思い
演奏に臨みました。NYのBuddhist Churchは今年が75周年
という事でしたが、そうした長い歴史のある場の記念事業に
私たちのコンサートを入れて頂いたのも光栄なことでした。
こちらに住んでいると、日本人であることを強く意識せざるを
得ない事が度々ありますが、特に先人の日本の方が、大戦等
様々な状況を乗り越えながら、時には、人種的な、時には、
経済的な数々の大きな壁を越えながら、それぞれの文化や
信じる宗教を守ってきた事実に触れる時、非常に感銘を受け、
また同時に励まされる気持ちになります。
当日は、沢山お客さんがお見えになって、先日のWSの参加
者の方も来て下さったり、と少しずつ輪が広がるのを感じて
います。終演後には、美味しいトルコ料理を頂いて、今年3月の
トルコツアーも思い出すようないい時間〜、でした。
当日の写真はこちら→Photos
夏からの覚え書き(続き)

11月のはじめに、NYのジャパン・ソサエティにて、義太夫三味線の
田中悠美子さんと共に、三味線ワークショップをさせて頂きました。
ジャパン・ソサエティでは度々、和楽器のワークショップもされている
ようですが、今回このような機会を頂けて、私自身、とても楽しみに
していました。日本では、夏の終わりに毎年、三味線の集中講義で
洋楽専攻の生徒さんを3日間、時間をフルに使って、鍛え上げる(?)
という強行軍をやっていました。初日は「手がいたいです」と言って
いる子達も、これが最後の方になると、面白くなってくるらしく、
「三味線スイッチ」が入れば、しめたモノ、こちらとしてはいつそれが
来るのか?、毎回楽しみでした。
ニューヨークには、いつでも沢山の国の音楽が溢れ、不思議な楽器、
意味不明なコラボレーションでもちっとも珍しくないと思いますが、
日本の楽器は密かなブームなのでは、と思います。けれでも、他の
アジアの楽器に比べるとまだまだ...なのではないでしょうか?何が
原因かは、私もリサーチ中です...。今回のワークショップは4時間程
の結構な長丁場でしたが、参加者のみなさんも頑張りました。
最後には、簡単な曲も楽しそうに弾けるようなって、そんな笑顔が
こぼれる様子を見て、私もとっても嬉しかったです。これ限りではなく、
コンスタントにこのような機会があることを切に望みます。
夏からの覚え書き(つづき)

10月末に、ボストンのニューイングランド音楽院にてデュオで演奏させて
頂きました。こちらは、2009年に洗足音大の引率で来て以来。久しぶりの
ボストンでしたが、こぢんまりとした街並はどこも見覚えがありました。
ニューイングランド音楽院には、ボストンのみならずアメリカの音大の中で
は、とてもグレードの高い学校で、沢山の演奏家を輩出しています。なので
演奏する側としても、「ちょっと緊張〜」。けれでも、とてもいい時間を過
ごさせて頂きました。
当日の写真は、こちらです。
また、当日のコンサートのレビューを綴ってくださっているブログ。(英文)

続いて、国連にて演奏させて頂きました。こちらはまたユニークなイベント
で、日本酒(大吟醸ばかり...)を通じて、日本の食文化を紹介する、という
内容で、更に日本の音楽も併せて紹介して頂ければ、という事で、お話を
頂きました。NYに着いて早々、光栄なお話、とても感謝しています。
演奏終了後には、私たちも試飲会で、日本津々浦々の大吟醸を楽しませて
頂きました。うーん、素晴らしいひとときでした。
国際連合日本政府代表部のウェブサイトに載せていただきました

秋恒例のリサイタル

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夏からの覚え書き(つづき)

今年も、「秋菊Ⅲ」というタイトルで、NYのTenri Cultural Instituteにて
リサイタルをさせて頂きました。今年も、前半は古典的な作品を中心に、
後半は、マリンバのKory Grossmanさんとの共演や、ダンスも入って
とてもユニークなプログラムになりました。
Autumn Chrysanthemum concert

これらの写真は、NYで長年活躍されているGeorge Hiroseさんが撮って
下さったものです。毎回のことながら、古典の良さ、を伝えたいという
気持ち、そして、素晴らしい共演者の方とのコラボレーションを楽しみ
たい、という気持ちが合わさったプログラムになりました。
お客さんも、アメリカ人から日本人までとてもバランス良く入って下さって
満員御礼でした。温かい雰囲気の中、演奏させて頂けて、とても幸せな
ひとときでした。また次回も、更にいいプログラムで頑張ります。

Shamisen というと...

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夏からの覚え書き(つづき)

10月中頃に、ワシントンの日本総領事館(広報文化センター)
にて三味線コンサートを開催させて頂きました。多分、日本でも
同じ現象なのだと思うけれど、こちらで「Shamisen」というと、
本当に「津軽三味線」一辺倒になってしまうのです。私は、津軽も
とても好きですし、(特に、木乃下真市さん!)何がきっかけでも
いいから沢山愛好家が増えるといいな、と単純に思うのですが、
たまにあまりに一辺倒過ぎるので、かなり残念な気持ちになって
しまうのは嘘ではありません。
三味線のことは調べ出すと、また、聴き出すと、本当に際限なく
その世界が広がっていくので、本当に魅力が尽きません。
それぞれのジャンルごとに、好きな演奏家がいるのですが、こんな
懐の広い楽器も珍しいのでは!?と思うほど。三味線は、一般的に
庶民のもの、というイメージが強く、その通りだと思いますが、実は
そうでない部分もあったし、楽器そのものの種類も細かく様々。
駒の種類、撥の種類、棹の微妙な違い、など実にハードコアな
世界。しかし、いきなり「こんなに懐が広い楽器なんだ〜」と概要
を示そうとしても、それがすぐに理解されるものか否か。
時間は多少かかるかもしれないけれど、様々な「本当のもの」、
「偽りの無い音色」をつむぐしか結局の所、方法はないのだな、と
思うこのごろ。


即興にもイロイロ

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夏からの覚え書き (つづき)

ここ数年、何かと作品づくりに関わっている作曲家でジーン・
コールマンという方がいて、NYに来て直ぐに彼の作品の為
にフィラデルフィアとNYを行ったり来たりしました。頭が宇宙
に繫がっているような人なのですが、周りに集まる共演者が
いつもとても素晴らしくて、1年に一度であったり、二度であっ
たりの再会ですが、いつも楽しみにしています。
即興的な要素も強いのが彼の作品の特徴。しかし、即興と
いっても、イロイロなんですよね。うわーと自分の見せ場を
ここぞ、というのも即興ですが、対話・独り言も含めた音探し
という意味合いもあり...。あと反射神経。
本当のImproviser はとにかく周りの音を良く聴くーというの
が、身上なのだな、と思う今日このごろ。

森と水に囲まれて...

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夏からの覚え書き(つづき)

メーン州での初めてのコンサートは、NYの喧噪の後に訪れただけあって
束の間の清涼剤のような思い出となっています。メーン州は、ボストンの
更に北にある州で、自然の宝庫です。メーンの魅力のひとつは「静寂」
でしょうか...。「耳が痛くなるような」静けさがあります。なので、楽器に
向かう度、いつもとは少し違う何とも形容出来ない感覚にとらわれます。
自然豊かな、ゆったりとした時間の流れているメーンで、夏のひとときに
コンサートが出来たことは、冬が廻って来た今でも、素敵な思い出の
1つです。メーンの写真は、こちら

夏からの出来事、覚え書きで綴っていきます。

この夏は、レコーディングにとりかかっていました。8月半ばに5日間かけて
臨みました。マーティン・リーガンさんに4年かけて委嘱を頼んで来た作品
「花鳥風月」の組曲全4曲を録音しました。5日間に及ぶレコーディングは
本当に勉強になりました。このときは、アメリカに来てから一番体重が減り
ました。予定では、すでにCDを発売になっているハズ...だったのですが、
どうしても音色感に満足出来ず、また来年日本で一から録り直すことを
決心しました。よく「お二人のCDは?」と聞いてくださるのがとっても嬉しい
のですが、もうしばし...!!!お待ちください。

レコーディングのPhoto

もうひとつ、8月の終わりにあった嬉しいこと...と言えば、それは、私たち
のNYの新しい住処が見つかったことでしょうか。同時に、ブルックリン橋
のたもとにあるBargemusicで4日間、コンテンポラリーばかりを集めた
コンサートに出演しました。コンテンポラリーばかり...というと、退屈!?と
思われそうなのですが、演奏者が本当に誰も彼も素晴らしくて、かつ
アットホームで非常に刺激的な4日間でした。また、この時の演奏が、
New York Times紙で、とても好評なレビューが載り、新居探しと本番の
嵐のような日々の中で、励まされました。

BargemusicのPhoto
New York Times
すっかり更新を怠っていましたが、お陰様で元気にしております。
このホームページは2003年の11月11日にスタートいたしましたが、
10年目を迎えました。1度、渡米に際し、リニューアルして頂きました
が、様々なニーズに応えるため、更に改善したいな、と思っています。

ところで、こちらのブログでまだ明言していませんでしたが、10月
よりニューヨークに拠点を移しました。日本に居るときから、度々訪れ
演奏していましたが、廻り廻ってこの街の住人になって、音楽活動を
していけるのは、本当に嬉しいことです。

また、同時に、私と玉木光のデュオ名も改めることにしました。
詳しくは、デュオページのコーナーもご覧頂けると幸いなのですが、
2009年より本格的にデュオ活動を始めましたが、「Yoko & Hikaru
Duo」というそのままの名前で続けておりました。度々、もう少し、
プロフェッショナルで、日本人にもアメリカ人にも読みやすい名前に
したらどうか、というご意見を頂いておりました。

そこで、相当な時間を費やしまして、このデュオ名を考え続けました。
列挙した名前はかなりの数になりましたが、ようやくこの名前に落ち
着きました。

名前の由来は、この通りです。
玉木の名付け親である、禅宗の盛永宗興老師(龍安寺・大珠院)から
「夢里無片雲」という掛軸を頂きました。もっとシンプルに言いますと、
玉木が20年近く前に渡米する前に頂いたそうです。その筆跡の見事
なこと、毎日感じ入るばかりなのですが、浅学の私たちにはどこから
の出典なのかは分かりません。ただ、これから国を離れて、志を持って
進む玉木に老師がどんな気持ちでこの言葉を送って下さったか、を
想像すると、なんて雄大で、励ましに満ちた言葉を送って下さったのか
と思うのです。言葉の魂が伝わる、のはこういう事かと思うのですが、
「"ゆめの"さとへんうんなし」という20年近く前の老師のエールから
頭の三音を頂いて、「Duo YUMENO 夢乃」と改めることにしました。
ネイティブのアメリカ人にも何人かに発音出来るか、訊ねましたが
皆さん割とすんなり発音できるようです。
Japanese heart with cosmopolitan spiritという私たちの信条も名前
の内にこもったかな、と思います。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

夏からの思い出も、少しずつアップしていこうと思っていますので、
ゆるゆるとおつきあいの程を...


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紅葉の綺麗なセントラルパークにて